OnshapeでDMM.make 3Dプリント向けに複数パーツを1つにまとめる

OnshapeでDMM.make 3Dプリント向けに複数パーツを1つにまとめる

概要

つい数年前までは手軽な3Dプリントの選択肢はShapewaysなどの海外サービスが主流でしたが,DMMが国内向けの3Dプリントサービスをはじめたことにより,3Dプリント部品の発注がより手軽になっています.

DMM.make 3Dプリントサービスでは,様々な種類のマテリアルで安価に造形が可能ですが,複数のパーツを個別に注文すると価格が跳ね上がるという問題があります. そこで,この記事ではWebブラウザ上で動作するCADソフト Onshape を対象に,複数パーツを1つにまとめる方法を紹介します.

Onshapeの紹介についてはこちらをご参照ください. Webブラウザ上で動くクラウド3DCAD Onshapeの紹介 : 東京工業大学 ロボット技術研究会

追記

伝聞や読んだ記事の影響で,まとめないと造形してくれないと勘違いしていたのですが,1つのファイルにまとまっていればわざわざつなげなくても作ってくれるようです.

選べる素材一覧 - DMM.make 3Dプリント

こちらのページの各素材の項目にある「シェル数」という数字が,1ファイルに格納できる最大のパーツ数です. この記事のテクニックはほかでも使えるはずなので,一応残しておきます… もしかするとこのテクニックでくっつければ1パーツとみなされてお得になるかも??

方法

Part Studioへのパーツの取り込み

AssemblyではなくPart Studioを作成します.

つぎに,挿入したいパーツをDerivedパーツとして読み込ませます.

Derivedパーツは,もともとあるパーツを基準にして別のパーツを作成するための機能です. パーツを読み込ませると,パーツとともにスケッチ等のエンティティが表示されている状態になります. 今回はここで出てくるスケッチは必要ないので,目マークをクリックして隠しておきましょう.

配置の変更

配置の変更はTransformで行います. 指定方向への平行移動や,軸まわりの回転,スケールの変更などができます.

ちょうどよい回転軸や平行移動の方向を指定する線分がないときは,下のようにスケッチを作成して線を引きましょう.

同じ操作を繰り返して,複数パーツを一つのPart Studioの中に並べます.

ランナーの作成

並べ終わったらランナーを作成します. 下準備として,ランナーを作る高さに平面を作っておきます.

あとはパーツをつなげるようにスケッチを作成して,押出等の機能でランナーの立体形状を作ります.

ブール演算による結合

できあがったランナーとパーツを結合します. Boolean機能(のUnion)を使うことで,選択したパーツの和集合を取ります.

ここまでの操作で,複数パーツが1つにつながりました.

STL出力

STLを出力します. Part Studioのタブを右クリックして,Exportをクリックします.

下の画像のように,解像度(Resolution)をFineに,単位(Units)をMillimeterにして出力します.

注文・完成

こうして作成したSTLファイルをアップロードして,注文手続きをします. 基本的に画面にしたがうだけですので,詳しい解説はしません.

完成して送られてきた部品の写真を下に示します. 製造中にランナー部分が割れてしまったのか,2つに分けて送られてきました. 今回のランナーの寸法は,約0.6mm x 1.0mm 程度の太さでした. パーツ本体側も巻き込まれて割れないとは限りませんので,次回はもう少し太くしたほうがよいかもしれません.

まとめ

  • Onshapeで複数パーツを1つにまとめる際には,AssemblyではなくPart Studioを使用する.
  • Transformで配置,Booleanで結合する
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