動機
- LGAパッケージのMEMSセンサを使いたい!
- クリームはんだやメタルマスクは高いし,そもそもチップマウンタとかリフロー炉とか使えない!
- じゃあどうするの?
- 手実装でしょ!
必要なもの
- LGAパッケージの部品(たぶんLGA-16が限界)
- 実装先の基板
- 温調はんだこて(420度以上出せるもの)
- ごく普通のはんだ
下準備
- 基板のパターン設計上で気をつける点が何点かある.
- 基板裏面から加熱するため,ピンからスルーホールを出しておく
熱的に接続されていないと温めるのが大変なので,きちんと引っ張り出そう. - GNDやVCCなどの広大な面積をもつパターンとは切り離す
こっちと熱的に接続されていると温まりにくくてまずい. - パッドを少し長めに設計する
最後に半田を流しこむので,推奨よりもパッドを長めにしよう.
- 基板裏面から加熱するため,ピンからスルーホールを出しておく
- 以上を考慮して設計するとこんな感じになる
手順
- LGAパッケージの部品と基板を用意する
- 向きを確認
- パーツのパッドに半田を薄く塗る
(くっつけるためだけなので盛り過ぎないように.半田の量が多いとブリッジしてしまうことがあるので注意)
- ハンダ付けする面にフラックスを塗る
- 位置決め
- 養生テープなどで軽く固定
- 裏から加熱(420℃,スルーホール1個あたり10秒)
撮影の都合上押さえていないが,基板はパーツが傾かないようにきちんと押さえておく.
- 押さえながらテープをはがす
軽く留まっているだけなので,押さえながら慎重に.
- 半田を横から隙間に流し込んで完成
導通チェックはしっかりしましょう.
と言ってもできないので火を入れてみるしかないです・・・
この画像ではブリッジ箇所(R2,R5)はつけていません.
ほんとにくっつくのかよ
普通に動いてます
注意
ただし,MEMSセンサなどを取り付ける際には,チップにかかる応力によって精度が保証されなくなるため,注意してください.
MEMS慣性センサーのはんだ付けガイドライン - Maxim
で示されているガイドラインによると,ここで紹介している方法はガイドラインに反しています.
したがって,あくまで実験用途での使用に留めて,本実装では接触面の凹凸も考慮した上でリフロー等で実装することを強くオススメします.