妖怪「ピニオンすべり」その生態と対処法

妖怪「ピニオンすべり」その生態と対処法

妖怪「ピニオンすべり」とは?

妖怪「ピニオンすべり」は,その名の通りピニオンギアを滑らせる妖怪であり,その出現頻度や生息場所については未だ不明な点が多い.

ピニオンすべりの生態

エヌがのらにより,ピニオンギアの溶着や歯の欠損などの様々な症例が報告されているが,その中で最も多くかつ深刻な影響を及ぼすものが,ピニオンギアの脱落である.
ピニオンギアが脱落するまでの間には,ピニオンギアとシャフトの間の締結が緩くなる必要があるが,そのメカニズムは長年解明されてこなかった.
しかし近年,我々の研究グループが提唱した仮説「ピニオン滑りメカニズムの妖怪起因説」により,ピニオンの滑りに関しては妖怪のしわざであるとして解釈することが可能となった.


実際,ピニオンがすべる現象が妖怪由来であることを示唆する報告が,上記のように複数なされている.

ピニオンすべりは大きく分けて2種類存在することが,近年の研究により明らかになっている.

  • 酷使された機体に棲みつくタイプ
  • 放置された機体に棲みつくタイプ

エヌがのらの例は前者の代表的な報告例である.
一方で,毎年7〜9月ごろに様々な機体について報告されるのが後者のタイプである.

このように,ピニオンすべりにはある一定の出現条件があるものの,これらは厳密に理解できるものではないため,ピニオンすべりの出現を予想することは難しい.
また,予兆が現れてからピニオンが滑りはじめ,最終的に脱落に至るまでの時間は非常に短く,予兆を見て対策を施すこともまた困難である.
したがって,ピニオンすべりに対して事前の策を講じることは現状困難であり,発症後に対症療法によって現状の回復と短期的な予防を行うことになる.

そこで,本記事ではピニオンすべりが出現した際に有効な対処法を紹介する.

ピニオンすべりへの対処法

  1. 用意するものはハサミと縫い糸のみである.予めホイール等の邪魔になるものは機体から外しておく. 準備物:ハサミと縫い糸とホイールを外した機体
  2. つぎに,縫い糸をピニオンギアの直径より少し長い程度に切ったものを作る.厚いギアを使用している場合はその分だけ長くする. 最後にピニオンに通すので長めに切る
  3. 2.で作成した糸切れをほぐしてからそのうちの少しを取り,こよりを作るようにしてよる.ほぐしたものを少量取り よる
  4. 3.で作成したものをピニオンに通して写真のように持つ.針に通すよりもちろん簡単.対称性が気になる場合は両側にこれを作る
  5. 最後に糸の入ったピニオンをシャフトに圧入する.このとき,ゆるいようであれば糸を追加する.余った糸は作業後に切っておこう

以上の方法により,ピニオンすべりによって開いたピニオンとシャフトの間の隙間が埋められ,ギアがすべるという状況が改善する.

参考文献

  • 加藤雄資, 「マイクロマウストラブル事例集2013」, 2013.
    その他の対処法が示されている.同講演にて,資料に書かれていない対処法として,この記事で紹介した糸を用いる方法が示されていた.